最近よく見るMipsってなに?

ヘルメットは進化している

自転車で移動する時にヘルメットを着用する最大の目的は、転倒などによるダメージから頭部を保護することですが、近年、より快適に使うための工夫や、より安全に使うための工夫が凝らされたヘルメットが続々と登場しています。

例えばLUMOSヘルメットのフロント・リアLEDライトやウインカーライトもその一つです。今回は「より安全に使うための工夫」である、Mipsについてご紹介したいと思います。

Mipsってなに?

MipsはMulti-directional Impact Protection Systemの略で、日本語では多方向衝撃保護システムとなります。簡単に言えば、自転車で転倒した際の脳へのダメージを軽減することができる技術で、スウェーデンの企業、MIPS ABによって展開されています。

実は回転が加わった衝撃が脳にダメージを与える

自転車で転倒した際に脳へダメージが加わる事は、想像もしたくない事ですが、万が一の事故に備える事は重要です。「脳へのダメージ」と聞いて、みなさんはどのようなダメージを想像されるでしょうか?

実は脳へのダメージにも種類があります。一つ目は直線的に加わるダメージです。簡単に言えば真っ直ぐに衝撃が加わるイメージです。もう一つは回転が加わったダメージです。

「回転が加わったダメージ」とは、言葉では説明が難しいですが、脳は非常に柔らかいゲル状のものと考えてください。例えば、プリンや卵などの非常に柔らかいものをビニール袋に入れて、遠心力を掛けた状態で振り回している最中に、急に動きを止めると、形が崩れることは想像できると思います。

実は、脳はこの回転が加わったダメージに非常に弱いと言われています。「自転車に乗っていて転倒した際に回転が加わったダメージ?」少し想像しづらいかもしれませんが、逆に転倒した時に、ヘルメットを装着した頭部が、直線的に何かに接触する事は非常に稀だと言えます。

なぜなら走行中は進行方向に対して力が働いていますが、転倒するときにはバランスを失っているからです。例えば手にボールを持っているとして、適当な方向に投げたら、次にバウンドする方向は予測がつかないですよね。それは回転が掛かっているからと言えます。

同じように、転倒した際にヘルメットを装着した頭部が地面などに接触した際、接触面への衝突によって、ヘルメットに圧力が掛かります。また、接触面との摩擦によって、ロックされたような状態になり、摩擦が大きい部分を起点に回転が加わったダメージが加わります。

Mips対応のヘルメットは、ヘルメットと頭部の間に低摩擦レイヤーを備えていて、回転に対してこのレイヤーが10〜15mm程度相対的に動くことで、回転運動の影響を軽減させる技術です。

LUMOSヘルメット

一般的なヘルメットは、直線的な衝撃テストを実施していますが、Mipsはこのように回転運動に対してのテストを行うことでその安全性を担保しています。LUMOS UltraはMips対応もラインナップしており、より安全に自転車を楽しむことができます。

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